【保存版】スクラム初心者でも5分で総おさらい!スクラムの超重要単語と導入方法

プロマネ#scrum#step-by-step#スクラム
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2015年10月19日 投稿
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スクラムの導入は、わからない事が多くて知っている人がいないと導入が難しいという意見をよく聞きます。そこで、ステップバイステップで手順に沿って実施していくと、スクラムの導入がある程度完了していることを目指す説明をしたいと思います。

スクラムとは?

スクラムはアジャイル開発手法の1つで、スクラムは「柔軟かつ全人的なプロダクト開発ストラテジーであり、共通のゴールに到達するため、開発チームが一体となって働くこと」とされています。スクラムはフレームワークであり、スクラムガイドというスクラム標準の定義もあります。

大事な用語

スクラムを実施するに当って、スクラムの文脈で頻出する用語の定義を説明します。

役割に関する用語

  • 【プロダクトオーナー】
    プロダクトオーナーは、そのプロダクトについて何をどの順番で作るのかについて責任を持っています。

  • 【スクラムマスター】
    スクラムマスターは、プロジェクトへのスクラムの導入や、スクラムフレームワークの説明、教育などを行い、開発チームが独自のプロセスを構築する手助けも行ないます。

  • 【開発チーム】
    開発チームはプロダクトバックログアイテムを開発し、デリバリーすることに責任を持つ。開発チームは動作するソフトウェアを高品質に開発できす技術が必要となります。また、開発チームのメンバーは、10人以下であることが望ましいです。大人数である場合には、スクラムチームを分割してください。

  • 【スクラムチーム】
    スクラムチームは上述した、プロダクトオーナー・スクラムマスター・開発チームです。

活動に関する用語

  • 【スプリント】
    スプリントは、1週間や2週間といった、時間枠(タイムボックス)です。
    スプリントでは、スプリント計画、デイリースクラム、スプリント実施、スプリントレビュー、スプリント振り替えりなどのアクティビティがあります。

  • 【スプリント計画(スプリントプランニング)】
    次のスプリントで何をやるかを決定します。プロダクトバックログを元にしてスプリントバックログを作成します。この時、スプリントバックログは、プロダクトバックログアイテムをタスク単位に細分化しても構いません。

  • 【デイリースクラム】
    デイリースクラムでは、1日の作業の開始時に開発チームが実施する活動です。ここでは、誰がどのスプリントバックログに着手するか、問題は発生していないかなどを15分で確認します。またデイリースクラムを行なわずに開発チームは常にコミュニケーションを行い、把握するという方法もあります。

  • 【スプリント実施】
    スプリント計画によって作成されたスプリントバックログを消化していきます。

  • 【スプリントレビュー】
    スプリントレビューでは、スプリントの実施によって生み出されたインクリメントの検査と適応を行います。
    開催はスクラムチームが行います。スプリントレビューにはプロジェクトの利害関係者全員が参加し、スプリント実施が完了した直後に行います。
    デモを実施し、利害関係者にインクリメントを説明します。そして、次の質問をします。

    • 利害関係者は、デモの結果を気にいっているか
    • 今でも顧客に受け入れられるか
    • 重要な機能が不足していないか
    • 不必要な機能を作成していないか
    • コストをかけすぎていないか
      これらの質問の答えが、プロダクトバックログのグルーミングの参考になり、リリースプランのインプットになります。
  • 【スプリント振り返り(スプリントレトロスペクティブ)】
    スプリントレビューでは、プロダクトについてのレビューを実施しますが、スプリント振り替えりでは、スクラムチームの成長や、プロセスの改善を行うことが目的です。

    • 今回のスプリントでうまくいったことはなにか
    • 今後も続けたいことはなにか
    • 問題や課題になったことはなにか
    • 改善したほうがよいことはなにか
      を、スクラムチーム全員で話し合います。KPTといったフレームワークを元にして進めてもよいでしょう。私達はGKPTという独自の方法で行っています。KPTにGを足して、スクラムで最強のチームを作る!!
スプリント振り返りのGood, Keep, Problem, Try
  • 【プロダクトバックログの見直し(グルーミング)】
    プロダクトバックログの見直し(グルーミング)とは、 プロダクトバックログアイテムを作ったり、修正したり見積りや優先順位を付けることです。
    (最新のスクラムガイドでは、「グルーミング」ではなく「リファイメント」となっています)

作成物に関する用語

  • 【プロダクトバックログ】
    プロダクトについてのバックログ(今後やることリスト)です。
    プロダクトバックログには、プロダクトバックログアイテムをプロダクトーナーが決定した優先順位順に上から積みます。優先順位は、そのプロダクトについて最も価値が高いもの順になっていることが理想です。
    プロダクトバックログは定期的にグルーミングされている状態を保つようにします。
プロダクトバックログとスプリントバックログ
  • 【プロダクトバックログアイテム(PBI)】
    プロダクトバックログに積まれた、それぞれのタスクです。
    タスクは、プロダクトオーナーにとって価値がるものならば、なんでもプロダクトバックログアイテムになります。
    例えば、下記のようなタスクがプロダクトバックログアイテムの候補となります。
    • フィーチャー
    • 不具合対応
    • 技術的な改善
    • 知識の獲得
プロダクトバックログアイテム
  • 【スプリントバックログ】
    スプリント計画で作成される、一回のスプリントでやるべき事のリストです。
    スプリントバックログには、必ずプロダクトバックログの一番上にあるアイテムからを順に移動するようにします。

ステップバイステップ! スクラム導入

用語の定義が少し長くなってしまいましたが、導入するために必要なものなので、下記のステップでわからなくなったら定義を見直してください。

ユーザストーリーの決定

プロダクトが全くない場合には、なにを作るのかを決定します。通常はユーザに価値をもたらすユーザストーリーを決定していきます。もちろんソフトウェアへの要求を決定していくことも問題ありません。既にあるプロダクト開発にスクラムを導入する場合は、この手順は省略しても構いません。

プロダクトオーナーの決定

開発しているプロダクトについての責任を持つプロダクトオーナーを決定します。スタートアップであればCEOがプロダクトオーナーになることが多いですし、開発リーダーがなることもあります。

スクラムマスターの決定

スクラムマスターは、スクラムをある程度経験している人物が望ましいですが、そうでない場合には開発リーダーが行なうようにして下さい。

開発チームの決定

スクラムマスターは、開発チームを任命してください。

プロダクトバックログの作成

スクラムチームは、プロダクトバックログを作成します。最初から全てのバックログアイテムを網羅することは難しいため、粒度の粗い状態でも構いません。

スプリント期間の決定

1回のスプリントの期間を決定します。原則として期間は後から変更しませんが、スクラムに慣れていない場合は1週間程度の短い期間にするようにして学習効果を高めるのもアリです。実際に私達は3日に設定して行うようにしたところ、素早く学習することができました。

スプリント計画の準備

スプリント計画を行う前に、これから作るものを明確にしてください。可能であれば議論をわかりやすく行うために画面のペーパープロトタイプや、業務フローが複雑であれば業務フロー図などを作成します。

最初のプロダクトバックログのグルーミング

プロダクトオーナーは、スクラムマスターと協力してプロダクトバックログアイテムの優先順位をおおまかに決定してください。基本的にはプロダクトバックログの順番に開発を進めていくことに注意してください。

最初のプロダクトバックログアイテムの見積り

各プロダクトバックログアイテムに対して開発チームは見積りを行います。このとき見積りの単位としてはストーリーポイントを用いるようにしてください。ストーリーポイントは相対的なもので、1ポイントや3ポイントといった単位になります。具体的な時間を使わない理由は、時間で正確な見積りを作ることは非常に難しいからです。1時間や2時間といった細かい時間まで把握することに時間を使うことは止めましょう。

助走

プロダクトが全く無い場合、最初のスプリント計画を始める前に助走としてアーキテクチャの決定やスケルトンの開発を行い、デプロイして使える状態にして下さい。この時点ではソフトウェアは全く動作しませんが、開発全体の流れは把握できます。

スプリント計画

次に第1回目のスプリントの計画を行います。この時点でプロダクトバックログのグルーミングと見積りは完了しているはずなので、感触を掴むために少な目のスプリントバックログを作成してください。

スプリント実施

スプリント計画で決定したスプリントバックログに従って作業を進めていきます。最初の実施ではタスクの粒度などにスクラムチームでの認識に差異があるはずですので、疑問がでた場合には書き留めておきます。

スプリントレビュー

プロダクトオーナーに今回のスプリントで完成した成果物をデモします。

スプリント振り替えり

始めてのスプリントで多くの疑問や改善点がでてきているはずです。スクラムはルールの叩き台ですので、スクラムチーム独自のルールを決定して文化を作っていきます。

次のスプリント計画から振り替えりまでを繰り返す

ステップ11〜ステップ14までを繰り返します。プロダクトバックログのグルーミングはなるべく短い感覚で実施して下さい。

導入完了!

上のステップを実際に行って、ぜひスクラムの導入を成功させて下さい!
私達クラフトマンソフトウェアでは、スクラムの導入支援サービスを行っておりますので、ご興味がありましたらお気軽にご連絡ください! メール、またはサービスページ レンタルCTO

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